症例紹介　１　

８０歳代後半のNさん 

２世帯住宅の２F暮らしですが、腰痛で階段の昇り降りが辛く途中で休み休みしなければいけないので、ついつい億劫になり自室にこもりがちになってしまった。少しでも楽になって自分から動けるようにしてあげたいんです、と息子さんに連れられて相談に来られました。

年齢もあり毎週１回は糖尿病の注射、毎月１回は狭心症、不整脈の経過観察と治療のため通院していますが、息子さんはサラーリーマンなので土曜日に車で送り迎えしているとのこと。「１人で歩いて行ければ助かるんだけど」と話されていました。 

初回はベッドにうつ伏せに乗るのも辛い状態でしたので、横臥の状態でリラックスしていただき、お話を伺いながら肩や背中をマッサージしながら徐々にうつ伏せになっていただきました。

高齢でもあり痛い程の施術は必要ありませんので、常に痛くないか、苦しくないか確認しながら、足の指先から、首まで全身の筋肉を弛め血流の改善を図りました。

特に普段あまり動かす事の少ない足指の可動性拡大や、ふくらはぎを中心に静脈血の還流を促し、ハムストリングや殿筋については軽いTPTも実施しながら丁寧に施術を実施しました。

腰痛は特に右側のジャンクション部分が痛むとのことでしたが、T１０からL２にかけて脊椎が大きく左側弯し、起立筋も隆起しているのがハッキリ確認できました。右側の起立筋は硬直と短縮が感じられましたので、特に注意深く痛みの有無を確認しながらTPTを実施し、左の起立筋は隆起範囲が大きかったので右より広い範囲でTPTを実施しました。

昔から肩こりが酷く、息子さんによく揉んでもらったとお話しされていましたが、確かに右の肩甲挙筋はまだコリが残っている感じで、肩全体を幅広く筋膜マッサージしました。

首はあまり硬い感じが無かったのと高齢なので軽くしておきました。施術後は顔色も良くなり呼吸も深くなっていました。 

「体全体に薄氷が張ったような状態だったのを、全身マッサージで氷を溶かしたので体の動きが楽になったと思いますよ」と説明し、立ってもらったところ、「体が柔らかくなったような気がする」と喜んでいらっしゃいました。週１回程度定例で来られたらもっと楽になりますよと説明し、その日は満足頂いてお帰り頂きました。 

　その後も定期的に通っていただき、そろそろ５か月になりますが、今ではすっかり慣れて、ご来院いただくと自分から１人でうつ伏せになられ、「ここでこうするとホッとする」と仰っていただきます。

施術の内容は大きく変わりませんが、特にふくらはぎを中心にした下半身に時間をかけ、トータルで６０分しっかり施術しています。

先日はご子息さんが一緒に来られ、病院で不思議がられたと話されていました。

「年齢的に不整脈はなかなか改善しないんですが、心電図をとったら改善しているし、脈拍も以前は１２０以上あったのに１００以下に落ち着いてきた」と主治医の先生に言われたらしいんです。カイロプラクティックに通い始めたんですと話したところ、そうですかと言われただけでしたが、私はカイロのマッサージで全身の筋肉が柔らかくなり血流が良くなって体が元気になったからではないかと思っていると、仰っていただきました。

通院も最近は車ではなく歩いて行けるようになったとのこと。まだ心配なので一人では無理でいつもご子息さんが付添うそうですが、それでも病院まで歩き、外の空気を満喫することでNさんもすっかり明るくなったと喜んでおられました。

化学的に説明することは難しいと思いますが、そう言っていただき大変うれしく感じましたし、これからも丁寧な施術を心掛け、Nさんがもっと元気になって明るい生活が送れるよう精一杯お手伝いしたいと思っています。